オープンキャンパス等でお伝えはしていた【臨床工学技士】の業務拡大について、特に看護師と進路を迷う高校生の皆さんからの質問が多く来ています。臨床工学技士ができることが増えたのはどんなことなのか、姉妹校の姫路医療専門学校のブログがわかりやすかったので、引用して紹介しますね^^
**以下、姫路医療専門学校から引用です**
昨年、令和3年厚生労働省令第119号(2021年7月9日交付)で
『臨床工学技士法施行規則の一部改正』が決まりました。
これだけ見ると、何のことやら、ですよね…。
簡単に言うと、
臨床工学技士ができることが増えたということです。
この法令の趣旨としては、
適切な医療を効率的に提供する体制を確保するために、
医療関係職種の業務範囲の見直しとして「タスクシフト/シェア」を推進して、
医師の負担を軽減しつつ、医療関係職種がより専門性を活かせるよう各職種の業務範囲の拡大等を行う
というものです。
では、この改正によって臨床工学技士は何ができるようになるのか?
大きく4つありますので、ご紹介します。
①静脈に針を刺せるようになった
今まで、患者さんに穿刺(針を刺すこと)をしてもよかったのは
医師と看護師だけでした。
(一部、人工透析業務では臨床工学技士も医師の指示の元で穿刺できます)
それが、手術室や集中治療室で治療をする患者さんへ
点滴や薬剤投与のための「シリンジポンプ」「輸液ポンプ」といった機械とつなげる穿刺を
臨床工学技士ができるようになりました。
これにより、正確に機械が動いているか、
患者さんにとって安全な治療ができているかを
今まで以上に把握することができます。
②身体に電気刺激を与える機械を操作できるようになった
今まで、心臓手術の中で
血管の中に管を入れて行う「カテーテル治療」や人工心肺装置を用いる手術の中で
電気刺激を使用できるのは医師だけでした。
今回の法改正により、
医師の指示の元で、この電気刺激の機械操作を臨床工学技士自身ができるようになりました。
不整脈などの患者さんを助ける一員として活躍できます。
③内視鏡手術のビデオカメラ操作
皆さんは、「内視鏡」は聞いたことがありますか?
一般的にイメージしやすいのは胃カメラではないでしょうか。
体内に小さなカメラを入れて、中をビデオの様に見ることができる機械です。
▼この機械です
内視鏡手術のときに、身体に小さな穴を開けてそこにこのカメラを入れるのですが、
手術箇所が見やすいように臨床工学技士がこのカメラを操作できるようになりました。
(今までは、医師や看護師がこの業務を行っていました)
術野がしっかり見えていないと治療が上手く進まず、
患者さんの命に関わってしまうため、とても大切な業務になります。
④人工透析業務において、動脈に穿刺ができるようになった
※令和3年度政令第203号(2021年7月9日交付)
先ほど、①で『静脈』に針を刺せるようになったとお話しましたが、
④では、さらに『動脈』が登場しました。
皆さんも血管の種類で「動脈」「静脈」を聞いたことがあると思います。
動脈は、血液を心臓から全身の各組織に送り出す血管のことで、
静脈は、全身の各組織から心臓に戻ってくる血管のことを言います。
動脈の方が血液がたくさん流れていて血圧も高いので、
危険もあり今まではこの動脈に穿刺できるのは医師だけでした。
それが、人工透析業務における動脈への穿刺を
臨床工学技士ができるようになりました。
そんな責任ある業務も任されるようになったのは、
臨床工学技士が「生命維持管理装置」を扱うからかもしれません。
患者さんの命を守る機械を触るということは、
機械だけではなく、それこそ血管や心臓のことなど、
「人が生きる仕組み」が分かっているということです。
こんな専門性のある仕事、カッコいい思いませんか^^
病院の中で唯一、医学と工学の知識を持ったスペシャリストが臨床工学技士です。
もし興味を持ってくださった方がいましたら、
最新医療機器がある実習室で一緒に体験してみましょう。