キレイな笑顔に欠かせない口腔ケアのプロ
「歯科衛生士」の仕事。
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歯科衛生士の3大業務
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一生の仕事にできる
就職環境結婚や出産・育児を経てライフスタイルに合わせた勤め方ができるため、歯科衛生士と家事・育児の両立が可能です。こうした就職環境により経験を重ねながら長く勤められるのも特長の一つです。
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専門性の高い
国家資格毎年受験者の9割以上が合格しており、しっかりと学べば資格取得は難しくありません。
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美容と歯科診療
現在の歯科業界では口元の美しさに焦点を当てた総合的な歯科医療も注目されており、「ホワイトニングコーディネーター」や「インプラント専門歯科衛生士」などの資格もあります。
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歯科衛生士の今、
そして未来現在、ケアや指導にあたる歯科衛生士は不足しており、今後もニーズは高くなると言われています。
不安を取り除き、
多くの笑顔をつくる。
患者さんの笑顔を支えに
この春、勤務4年目に入ります。この歯科医院では常勤・非常勤あわせて4人の歯科衛生士が働いています。常勤の私とスタッフ1人で1日50人くらいの患者さんに接します。歯石を取ったり、歯の型を採ったり、治療器具を準備したりと日々、歯科衛生士に任せられた3大業務をこなしています。機会があると、幼稚園へ出向いて園児の歯科検診で歯科医の先生の補助をすることもあります。患者さんが知らないちょっとした歯磨きの工夫なんかをお伝えすると、笑顔で反応してくれるのですごくやりがいを感じますね。
患者さんとの接し方を大事にする
人がそれぞれ違うように、口も違いますから毎日、人の口を見て飽きることはありません。面白いもので、患者さんから問い合わせの電話をいただくと、お名前を聞いた時にお顔よりも先に歯が思い浮かびますね。もちろん、後でカルテと照らし合わせますが、ほとんどは思い浮かんだ通りの歯で正解なんです。
そうして毎日、歯に携わっていると技術面は自然と向上していきますが、患者さんとの信頼関係は意識しないと築くことができないと感じています。多くの場合、私たち歯科衛生士のほうが、診療中にドクターよりも長く患者さんに接するはずです。患者さんにはできるかぎり不安を取り除き安心して来院いただけるように努めています。そのために、どんなふうに声をかけるか、どんなふうにお話を聞くか。ベテランの歯科衛生士と話しても「なかなか完璧にはできないよ」と言いますから、永遠の課題なのかもしれません。
その反面、歯科衛生士は毎日いろいろな人に出会える仕事で、たぶん別の職種だったら接する機会がないようなお年寄りから楽しいお話や興味深いお話を聞けたりして、診療の合間になごんだりすることもよくあるんですよ。
また来ようと思える存在になりたい
やっぱり、患者さんに完治するまで中断せずに通ってもらえると、うれしいです。逆に、途中で通ってくれなくなる患者さんがいると、どうしたのかなと、すごく気になります。
歯の治療や検診には長期的・定期的な来院が必要なことは、だれもが分かっていると思いますが、どうしても歯医者さんから足が遠のきがちです。その理由も理解できます。忙しいとか、痛いかもしれないとか、ちょっとくらい虫歯を放っておいてもなんともないとか。
でも、そうではなくて早めに治療すること、定期的にケアをして虫歯・歯周病になりにくくすることの大切さを知ってもらうのも、私たち歯科衛生士の大事な役目です。歯科医が前面に立つ治療はもちろん、歯科衛生士が前面に立つ予防のためにも歯科医院に親しんでもらうようにしたいです。
そのために、歯や治療について丁寧に説明したり、治療中の不安をできるかぎり取り除いたり、定期的なケアを勧めたり、患者さんとのコミュニケーションを今よりもさらに大切にしていきたいと感じています。
資格取得後も勉強は終わらない
高校時代の歯科検診で見た歯科衛生士の仕事ぶりをかっこいいと感じて、この道をめざした私ですが、学校では先生方にずいぶんと助けていただきました。科目全般に苦手が多かった私なので、国家試験のための勉強に遅くまで学校で先生方に付き合ってもらったことを思い出します。不安を残す私に「だいじょうぶ、絶対合格できるから」と前向きで、いつもポジティブな言葉をかけて励ましてくれました。
歯科衛生士として働いて感じたことは、当たり前のことなんですけど、大切な事柄がたくさんあるんです。例えば、『患者さんが飲んでいる薬はどのような疾患に対する薬なのか、また注意することはなにか』といった知識がないと、患者さんと距離を詰めて接することができないんです。患者さんに“寄り添える歯科衛生士”になるために勉強は尽きません。
長く活躍する歯科衛生士でいたい
歯科衛生士の仕事の一端をお話ししましたが、歯科医療には虫歯治療のほか、矯正(歯列を整える)もあるし、歯を美しく見せるための審美歯科(歯を白くするホワイトニングが代表例)もあります。したがって、歯科衛生士の業務もそれぞれの医院に応じて高い専門性があったりします。きっと皆さんがイメージしているよりも仕事の幅が広く、技術を磨く余地もたくさんあるのが、歯科衛生士という職種だと思います。
審美歯科や訪問診療など、歯科治療はますます進歩していますが、一方で歯科衛生士はぜんぜん足りていません。高齢社会の日本では、体が弱って外出ができないお年寄りがどんどん増えているし、仕事で子どもを連れて来られない親御さんも多くなり、今後ますます“歯科衛生士”のニーズは高くなります。歯科衛生士はライフスタイルに合わせて働けるので復職する人も多く、20年以上勤める人も多くいます。私もその一人として5年後、10年後も、患者さんが素敵な笑顔になれるお手伝いをしていきたいと思っています。