病院で働く看護師さんに憧れて、「人の命を助けたい」「人の役に立ちたい」と思ってきたあなた。 その気持ちは、きっと本物です。
でも、進路を考えていく中で、こんなふうに感じたことはありませんか?
• 「人と関わることが好きだけど、少しだけ距離を置きたい時もある」
• 「体力的に不安…自分にできるのかな?」
• 「機械や装置にも興味があるかも」
もし一つでも当てはまったなら、 ぜひ知ってほしい医療職があります。
それが、“臨床工学技士”です。
臨床工学技士ってどんな仕事?
臨床工学技士(Clinical Engineer:CE)は、人工呼吸器・透析装置・心臓手術に使う人工心肺装置などの命を守る医療機器を専門に扱う医療職です。
ただ「機械をいじる人」ではありません。
医療機器を通して、患者さんの命に直接関わる仕事です。
• ICUでの人工呼吸器の調整や異常対応
• 手術中の人工心肺装置の操作
• 透析患者の状態を見ながら機器をコントロール
実際に患者さんの治療に携わり、命を守る判断を下す場面も多くあります。
医療機器という“手”を通して、 看護師と同じように患者さんの回復に貢献する。 それが臨床工学技士なのです。
そして、もしICUで患者さんの呼吸が止まりそうになったら?
もし手術中に人工心肺が突然止まったら?
そんな”もしも”のとき、
CEが駆けつけなければ、命が救えない。
それほどに、臨床工学技士は医療の現場で命をつなぐ重要な存在なのです。

「工学=難しい」って、本当?
「工学って、なんだか難しそう…」
そう思っている人も多いかもしれません。 でも安心してください。臨床工学技士に求められるのは、“理系の天才”ではなく、“丁寧に学び、確実に支える姿勢”です。
専門学校や大学では、 数学や物理が苦手な人にもわかりやすい授業や実習が組まれています。
機械の知識は“ゼロから”学ぶ前提でカリキュラムが組まれているので、「人のために頑張りたい」という気持ちがあれば、確実に成長していけます。
実際に、看護師志望からCEを目指した先輩の多くが、「工学に触れるのは初めてだったけど、思っていたより楽しくて面白い」と感じながら学んでいます。

看護師と臨床工学技士の違いって?
視点 | 看護師 | 臨床工学技士 |
主な対象 | 患者さん自身 | 医療機器とそれを使う患者さん |
関わり方 | 直接ケア・寄り添う | 医療機器を通して命を守る |
チーム内の役割 | 患者さんの心と体のケア | 治療を安全に行うための機器管理・操作 |
看護師は「人に寄り添う医療」
臨床工学技士は「技術で支える医療」
どちらも命を守る、大切な仕事です。
実際、ICUや手術室などでは、看護師と臨床工学技士が密に連携しながら治療にあたることが多く、お互いの役割はとても近いところにあります。
看護師志望だったあなたが、臨床工学技士に惹かれる理由
• 手を動かすのが好き
• 専門知識でチームに貢献したい
• 医療に関わりたいけど、少し違った角度から支えたい
そんなあなたの想い。実は、臨床工学技士にぴったりなんです。
進路変更は、「あきらめ」ではなく「最適な道を選び直すこと」。
あなたの強みと興味を活かせる新しい可能性が、ここにあります。
最後に——
看護師という夢があったからこそ、 「人を支えたい」という強い気持ちが育ったあなたへ。
その気持ちを大切にしながら、 臨床工学技士という選択肢を、ぜひ知ってください。
あなたの未来には、 人の命を守るという誇りある医療の道が、きっと待っています。
